若くして新人賞を取り、ベストセラー作家になった小説家、佐久本勝。
だが最近、まったく小説が書けなくなってしまっている。心機一転、のどかな土地に移住するも、調子は上がらない。
ある日、途方に暮れて縁側で庭を眺めていると1匹の猫がやってくる。
話しかけると、ぷいっと行ってしまう猫。猫にまで見放されたよと落ち込む。
その晩、ドライフードを庭の隅に置いて眠りについた。翌朝、エサが無くなっていた。
俄然興味が湧いてくる佐久本。こうして若き小説家の「ねこあつめ」が始まった―。